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建物の現場調査でみるべき点
現況調査を喜岡さんと一緒にいってきました。
今回の元コンビニの空き物件では前回のコラムでも触れましたが、空きテナントとなっている期間が長かったためか、テナントが退去したにも関わらず
たくさんの物がテナントの中に残っていました。
このように原状回復ができていない状況も次のテナントがなかなか決まらない理由の一つにあげられますが、オーナー側の立場からすると、コンビニの後もなかなか次のテナント業者が決まらなかったためか
テナント業者が決まらないうちに、コストをかけて原状回復するのにためらっていたようです。
話が少しそれましたが、現場調査に行く場合のチェックポイントがあります。 事項ではそちらについて説明していきたいと思います。
現地調査を設計事務所が一緒にいくメリットについて
テナントを探している人は設計事務所と一緒に行くと大きく3つほどメリットがあると思います。
①デザイン、ビジネス面
②インフラの確認
③法律の確認
デザイン、ビジネス面ついて
机上で平面をみるだけでは伝わらないことも、物件を直接みることによって出てきます。
そしてそこで気づいたことをデザイン面に上手く反映することができます。
今はGoogleマップでも周囲の状況を確認することができますが、やはり現場をみることは大事になってきます。
現場や敷地の周囲だけではなく、まち全体をみることによってデザイン面だけではなく、ビジネス面においても設計にフィードバックすることができます。
インフラについて
インフラはまず基本の電気、ガス、水道の状況について確認します。
電気については現在の電灯の盤容量を確認します、動力がある場合は動力盤についても確認する必要があります。
また自動火災報知設備等の防災装置がある場合は設置位置点検状況も含めて確認します。
ガスについては、ガス管及びガスメーターの容量を確認が必要になります。
例えば飲食店の場合に多いのですが厨房がある場合は想定する厨房機器や給湯器の大きさを既存のガス容量がまかなえそうかどうかを把握する必要があります。
給排水について共通して確認するべきことは既存のルート確認です。また個別に給水に関しては給水メーターの確認、排水に関しては分流式か合流式か浄化槽なのか等、排水方法の確認が必要となります。
また換気扇やエアコン、室外機の確認も忘れがちですが作動状況も含めて確認する必要があります。
法律について
店舗設計が得意なデザイン事務所は消防法や保健所等の新しく入居するテナントオーナーが行う手続きに関しては得意ですが、ビルオーナーが行う建築基準法や条例などの手続きは苦手です。
店舗設計の方は建築士を持っていない方も多いので当然のお話かもしれませんが一級建築設計事務所の場合は、その部分も含めて調査をするため後になって、この手続きが必要だったということにはなりません。
もう一つは不動産の賃貸契約をする場合でもいろいろな視点で見ることができるのでクライアントにとって良いアドバイスができます。
このような項目をチェックするためにも専門家が一緒に帯同して確認していくことによって事前のトラブルを防ぐことができます。
あっとリフォームの現地調査について
前置きが長くなってしまいましたが、あっとリフォームの現地調査についてはどうだったか見ていきましょう。
①デザイン、ビジネス面について
今回の物件は敷地が駅から遠いという、一般的に悪いと思われる部分が逆にあっとリフォームにとって、非常にビジネス面でもデザイン面でも魅力的に感じました。
『敷地を選びに行ってきました』のコラムでその点に関してはくわしくお話ししています。
その次はコンビニという形状が、私たちとしては魅力的に映りました。
一見、形状のカタチが強く、周囲のみなさんのイメージが着いている地域のインフラであるコンビニを現代の新しいカタチで、リフォーム会社というインフラでリノベーションする。
なんだか考えすぎかもしれませんがワクワクしました。
②インフラの確認
どのような設備があるのか、写真で撮影して図面で落とすことによってできることと、お金をかけないとできないことが具体的に見えてきます。
道路につながっている外部排水ますの管の深さが決まっているので基本的に既存の排水_管があるところに水回りを持ってくる計画です。
床上げをすることによって排水ルートを伸ばすこともできますが、ショールームの特質上、天井が高い方が空間の広がりがあるので、なるべく床組みをしない方向で排水、給水ルートを考える予定です。
また現地調査が終わったら、不動産会社のもつ間取り図ではなく現地の設備の位置等を記入した現況図面を作成します。お互いの思いを共有する意味でも現況の図面は非常に便利です。
③法律について
役所や消防に規模と用途を伝え協議することによって必要な手続きを確認します。