コンセプト模型の提案
ショールームのコンセプト模型をつくって提案しました。一番大切に考えたのは、喜岡さんと最初にショールームの構想を聞いた時に話した、近くに住む人たちにも貢献できるようなショールームです。
僕は今回のショールームを設計するにあたって、調査を兼ねて5箇所以上のリフォーム会社のショールームを見学しましたが、どこも共通して自分たちの扱いたい商品を前面に出していました。
一般的なショールームでは、自分たちが扱いたい商材であるキッチン、ユニットバス、トイレ、洗面台などを一番目のつくところに配置するのが当たり前の考え方です。
しかし今回提案するショールームでは、喜岡さんの考え方とはそれは違うのではないかと考えていました。
僕は自分たちの置きたい商材を前面にレイアウトするのは、何だか相手の事を考えているようで商品でお客様のことを威圧しているように感じてしまい、相手に配慮していないように感じてしまいました。
本当に商品を前面に置かなければいけないのか、それがリフォーム会社のショールームにとって一番大事なことなのか?もう一度、当たり前のことが当たり前なのかどうかを考えてみることにしました。
当たり前のことを疑うということは、人とは違う自分の道を切り開く可能性を探ることでもあります。
自分や会社を見つめ直す意味では大事な作業ですし、こういった事を機会に10年、20年先の未来_を考えるのは
楽しい作業でもあります。
このようなアイディアを提案する事は、相手の一生を左右する責任もあるのですが
『やっぱりこういう事だよね』とクライアントと思いを共有する楽しさの方が強いです。
このような提案をするためには事前に念入りに相手の想いを聞き取るヒヤリングが必要です。
話は少しそれましたが、今回の最初の提案ではトイレやキッチンなど本来ならリフォーム会社が売りたい商品を
ショールームの一番奥に配置しました。そして、商品をボックス状のショーケースの中に入れて、前面よりも一つ奥にレイアウトしました。そうすることによって本当に必要な見たい人がみれるようにしました。
こちらの模型のグリーンとオレンジ部分のボックスにそれぞれ、トイレ・洗面台、キッチンをレイアウトしています。
横長のガラス越しから商品をショーケースのようにのぞく事ができます。
色の彩度や明度は未定ですが、テーマカラー、コーポレートカラー等を考え、色彩でも来訪者が楽しめるような空間を提案しました。
喜岡さんはこちらの提案の意図を汲み取っていただき、少し考えたあと
『すごく面白い提案ですね。是非このコンセプトで進めて行きたい』
と嬉しい意見をいただきました。
ただ、今回の提案ではショールームのファサード自体は提案せず形態を残したままとしました。
こちらの提案ではコンビニの形態に木の無垢板を貼った提案ですが、やはりコンビニの面影を残しています。
ファサード提案はまた次回ということで、まずプランコンセプトを見ていただきました。